• 地盤の専門家神村真による宅地防災の情報発信サイト

島根県出雲市の神戸川では、斐伊川の水を神戸川に放水するための河川拡幅工事が1990年代末から計画実施されていました。工事は終了していますが、堤防新設に伴って周辺地盤の沈下が発生してしまったようです。先日、ようやく対策工事が始まるとのニュースが届きました。住民の方々のご苦労を思えば、一日でも早く対策工事が終わり、穏やかの日々を取り戻せることを祈るばかりです。

この沈下被害は、特別なもののように思われがちですが、そんなことはありません。この出来事は、多くの調査を行って沈下予測精度を上げても、「沈下量を正確に予測することが難しい」ことを伝えてくれています。

住宅分野では、水田を埋め立てる造成工事でも、十分な地盤調査を行いません。「いくら調査しても沈下の予測は無理だから調査しない」という決断なのかもしれません。しかし、家を建てるためには、盛土自重による沈下の影響を十分に把握しておく必要があります。

ここでは、公共工事によって周辺に発生した沈下被害から、住宅分野ではどのような対応が必要かについて考察しています。沈下の予測が難しいからこそ、十分な対応をしておく必要があるのです。

なお、ここでは、主に地盤特性に着目して沈下発生原因を考察していますが、地下水の流れも関係しているかもしれません。調査結果が公表されましたら、改めて詳細報告させて頂きたいと思います。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA