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あなたは最近「地盤」という言葉を使ったでしょうか?
「地盤」。日常的にあまり使わない言葉かもしれません。
「地盤」という用語は、必ずしも明確な定義があるものではありません。
「土地」や「地面」との違いは、その上に構造物が有るかどうか、と言われています。
私はその「地盤」の専門家として、約25年間活動してまいりました。
35歳頃から住宅業界で地盤の専門家として活動していますが、それ以前は土木建設業界に身を置いていました。
30代前半、私はマイホーム建設の機会に恵まれましたが、
「大きな地震はそうそう来ないだろう」
「河川洪水が首都圏で発生するなんてありえない」
と考えていました。
災害現場で液状化被害の調査や大規模造成宅地で盛土が動くのを目の当たりにしていたにもかかわらずです。
あれから数十年が経過しましたが、中越・中越沖地震、東日本大震災、熊本地震、胆振地震と、大きな地震は、数年単位で日本のどこかで発生しています。
また、毎年のように豪雨災害や風の被害が各地で発生しています。
30歳代前半の無知な私は、住宅の長い供用期間のことを、正しく理解することができていませんでした。
住宅は、多くの場合、建設した時点から建てた人が亡くなるまでの数十年を共に過ごします。
この数十年の間に、100年に1度の豪雨や地震を経験する可能性は、ゼロではありません。
土石流、土砂崩れ、洪水などの水害や地震による被害について調査していると、多くの場合、過去に同じ場所で同じ被害が発生しています。
土石流や洪水に関する過去の記録は、現在では、インターネット上で比較的簡単に見つけることができます。
しかし、被災した方の中には、
「自分の住む地域で災害が起こるとは考えてもみなかった」
と言われる方が多くおられます。
私の自宅建設以降の経験から言えば、この無関心は、無知からくるものです。
私も無知でした。
その後35歳頃から住宅業界に転職し、10年ほど席を置いた結果多くを知り、多くを学びました。
「あの時、このことを知っていれば・・・」そう思うことがたくさんありました。
住宅づくりは、本当に楽しいものです。
しかし、一回の地震で、一回の水害で、自宅を持っていたことが苦しみに変わるかもしれません。
そのようなことが起こらないように、しっかりとリスク管理を行うことが重要です。
このサイトでは、“私がもう一度家づくりをするなら・・・”という視点で、私が考えたことをお伝えしていきます。
土地を購入する時、家を建てる時、それぞれのタイミングで、専門家のサポートを受けることができれば、どんなに心強かったことか。
そういう専門家が増えれば、我が国の住宅は、数十年に渡って価値を維持するインフラに変わっていくと、私は信じています。
神村真
神村真
・技術士(建設部門/土質及び基礎)
・工学博士
1991年:明石工業高等専門学校土木工学科卒業
1995年:山口大学大学院工学研究科修了
1995年:地盤調査を専門とするコンサルタント入社
2005年:ビルダーに転職
2006年:地盤調査・地盤改良の専業者に入社
2017年:合同会社for設立