• 地盤の専門家神村真による宅地防災の情報発信サイト

8月20日は、2014年に広島で大規模な土石流災害が発生した日だったのですが、あなたは記憶に留めておられるでしょうか?扇状地に開発された造成宅地が土石流に飲み込まれ、多くの犠牲者が出ました。

土石流は、その被害エリアが水害の中では比較的小さいものの、人命が失われる可能性が非常に高い災害です。今回は、洪水、土石流、土砂崩れと言った水害の発生場所について解説します。

  1. 土石流が発生する場所
  2. 洪水が発生する場所
  3. がけ崩れが発生する場所
  4. まとめ

1.土石流の発生する場所

土石流災害の発生によって被害が出たというニュースを目にすると、私は何とも言えない気持ちになります。

なぜなら、土石流は発生することがあらかじめ分かっているからです。

あなたは、「扇状地」と言う地形のことをご存じでしょうか?小学校や中学校の授業で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

扇状地は、土石流によって作られた地形です。以下の記事でも解説しているので詳細は、以下の記事を参照してください。扇状地に堆積している土を色々と調べると、何度も何度も土石流が発生していることが分かります。山の奥で鉄砲水が出て、土石流が下流に流れ出して土砂が堆積する。この自然に活動を繰り返すと、扇の形の緩やかな傾斜地が出来上がるのです。

現代では、土石流を防止するために、沢筋にいくつも砂防ダムを設けています。雨と一緒に流れ込む流木や土砂をダムで補足して水だけを下流に流しています。そして、この砂防ダムがコマメに手入れされているので、下流で土石流が発生しないのです。しかし、人のすることですので、想定外の雨や手入れが間に合わないような事態に陥ると、土石流は下流の街を襲います。

土石流災害に遭いたくない人は、扇状地に住まないことです。

2.洪水が発生する場所

河川が氾濫することで発生する洪水。これも、発生する場所は自明ですね。川の近くです。川の近くならどこでも洪水が起こるわけではありませんが、河川勾配が急に緩やかになる場所や川幅が狭くなる場所の上流側など、洪水が起こりやすい場所はあります。

地形などを細かく見るのが苦手な人は、図書館なので、〇〇市史などを閲覧すると、洪水の発生した場所等が細かく記載されていることがあるので、参考にされるとよいでしょう。一級河川の場合は、国土交通省がホームページで洪水の履歴を公開しているので、こちらも確認してみてください。

なお、最近、総合治水の観点から再び注目されている「霞堤」にも注意しておく必要があります。霞堤は、古い治水用の堤防(図1参照)なのですが、これを昭和時代に塞いだり、塞がなかったりと、統一的な整備がされていない場所があります。例えば、上流側の霞堤の開口部は塞がれていないのに、下流側の霞堤の開口部が塞がれていると、上流からの越流水の逃げ場がなくなりので、下流側で洪水被害が出ることがあります。

図1 霞堤

3.がけ崩れが発生する場所

 これは、もう、説明の余地はないと思います。崖という高低差のある場所では、崖崩れが起きる可能性が高いです。私の経験でしかありませんが、図2に示すような斜面の下側は擁壁があるけれど、上の方は自然斜面が残っている。こう言う場所は非常に危険です。

図2 がけ崩れが起きやすい崖

なお、擁壁がある場合でも、斜面上に築かれた造成地では、雨が降って地下水位が上昇すると、斜面の下端の擁壁には、非常に大きな水圧が作用するので、水抜き穴の目詰まり等、日ごろのメンテナンスを怠ると、擁壁が水圧で動く等の問題が発生する可能性があります。

がけ崩れは、地震時にも発生する可能性があることにも注意が必要です。

「コンクリートの擁壁があるから安心」なんてことは決してありません。安心を求めるなら、擁壁の設計図書等、情報を集め、専門家に評価してもらうことをお勧めします。なお、比較的新しい擁壁で、地上高さが2mを超える擁壁は、役所の検査を受けているので、この点は安心材料の一つではあります。

4.まとめ

水害は、雨によっておこる現象なので、「どこで発生するか」をおおよそ予測できます。

残念なことに、住む場所を探すときに、そういうリスクを考えることを忘れがちです。

日本では、「災害に対する危険性が高いから、住んではいけない」と、行政が注意してくれる地域は、ごくわずかしかありません。それ以外の意見な場所でも、宅地開発が盛んに行われてきましたし、今でも行われています。

あなたが、家を建てる場所を探しているなら、災害に遭いにくい場所を選ぶことを、私は、強く勧めます。そのためには、知識が必要になります。私のブログが、少しはお役に立てると思うので、他の記事も是非、読んでみてください。

神村真



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